ぶくわむ

気分で書いてる読書感想blog
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ふがいない僕は空を見た
連作短編集。
・ミクマリ
・世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸
・2035年のオーガズム
・セイタカアワダチソウの空
・花粉・受粉

すべて語り手を変えた短編なんですが、『ミクマリ』で主人公だった斉藤卓巳周辺の人々が関係しています。
本の番組で紹介されて興味を持ったんですが、その時しばしば、『徹底した取材に裏打ちされたリアルさがある』と言われていました。半分以上が私の知らない世界をだったのでリアルさ云々は分かりませんが、取り扱いに繊細さを要する世界が描かれていたことは確かです。
特殊な性的嗜好であったり、敢えて目を逸らしたいものが書かれているのに、これだけ嫌悪感が少ないのも珍しいなと思いました。…それはまぁ、感情移入するキャラクタがいなくて痛みを感じたりしなかったからかもしれませんが。

様々な出来事がありましたが、斉藤くんが泣き虫で優しい子だったので、読後感はあたたかでした。
他か行作家 | 18:14 | comments(0) | trackbacks(0)
悪の教典
ヒィー!ってなる。
なるけど、止まりません。面白くて(笑いの方でなく)、面白すぎて先が気になって気になってしょうがないんです。
どう決着するのか、どうオチがつくのか、その期待がページを繰らせます。


導入は、

蓮実聖司は生徒間に人気があり、生徒指導担当として教諭間の信頼も厚い。しかし彼は、他人との共感能力に極端に乏しい、サイコパスだった!

こんな感じですね。

以下ネタバレ。
続きを読む >>
他か行作家 | 15:04 | comments(0) | trackbacks(0)
ヘヴン
川上 未映子
講談社

男子中学生の主人公と、クラスメイトの女子・コジマとの交流を描く作品です。
主人公は斜視であること、コジマは不潔であるという理由で、クラスメイトから、日常的に暴力を受けたりしている。
似たような境遇でありながら、お互いクラスで孤独に身を置く二人だが、ある日主人公は、コジマから手紙を受け取り、こっそりと交流を持つようになるのです。

なんというか、曖昧に登場し、曖昧に意味を持ち、特に説明もオチもない設定がいくつかあって、それが気になりました。
例えばタイトルになっている『ヘヴン』(サーカスのモチーフや色使い等から恐らくシャガール)、例えば百瀬と二ノ宮の関係(同性愛に近いような依存を仄めかしているような?)、例えば時代設定(なぜ91年?)など。

ある集団が形成された時、誰かを省こうとする動き、誰か特定の人だけが攻撃される動き、これらは永遠に無くならないと思っている。
だから、こういうやり切れなさをある種純粋に、ある種残酷に描く作品を、
嫌悪感を持ちつつも否定はできない。百瀬のような人間は確かにいて、百瀬のような人間が『幸福』のような何かを順当に手にし、百瀬のような人間が世間の尊敬を集めたりすることは、事実なのである。

自分に劣る部分があれば、理由になる。ただ理由が無いものに選ばれるのは怖い。終盤の主人公の無力感やコジマの拒絶は、読んでいる時はそう捉えた。
しかし何かよく分からないとこに連れていかれた感も事実…(^^;)
他か行作家 | 11:55 | comments(3) | trackbacks(1)
踊るジョーカー
作家の白瀬白夜とその友人で名探偵の音野順を主人公とした、ミステリの短編集です。

完全に表紙に釣られました。

引きこもりがちで、人の人生を左右するようなことを嫌う音野のキャラクタは面白かった。この探偵業に向きにくい性格の音野と事件をドッキングさせるために白瀬がいるのだが、白瀬は個人的にあんまり好きなタイプのキャラクタでなかった。しかし白瀬がいないとミステリが始まらないのでしょうがない。

軽い説明。

・踊るジョーカー
密室殺人事件。
ばらまかれたトランプごと刺殺された被害者の謎を解く。

・時間泥棒
盗難事件。
気付くと消えている時計たちの謎を解く。

・見えないダイイング・メッセージ
殺人事件の暗号解読。
被害者が今わの際に遺した写真に込められた謎を解く。

・毒入りバレンタイン・チョコ
毒物混入事件。
たった一つのチョコに入れられた毒物の意図の謎を解く。

・ゆきだるまが殺しにやってくる
クローズドサークルの殺人事件。
この中にいる犯人を指摘し事件のあらましを解く。
他か行作家 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0)
邂逅の森
東北の地でマタギとして育った松橋富治を主人公にした話です。

それを知りながら読みはじめたので退屈になるかと思いきや、なかなかどうして先を気にさせる展開が続き、2章以降はまったく退屈など感じませんでした。
性描写が割と多いんですけど、山の神様は好色らしいからいいのかもしれません…。

生まれ育った場所で天職を得ていたはずの富治が故郷を追われざるを得なくなり、新天地で自分の場所を得、紆余曲折を経てまたマタギとして生きることになったその先、山の神様から富治が授かったものは何だったのか、はっきりとは分からなかったですが、終盤、松橋夫婦の顛末を読んでのこの終わり方はなんとも言えず清々しいです。
現代の感覚を持っている身として、時代遅れの感をまったく抱かなかったといえば嘘になりますが、雪深い地で、連綿と続く掟を守りマタギ仕事に精を出す男達の描写はかっこよかったです。

また、話し言葉が東北なまりなのがいいですね。声に出して読みたくなります。
他か行作家 | 19:31 | comments(0) | trackbacks(0)
東京島
冒頭では、『男達に求められる女』が、何をさもおしゃれに気を使ってます的に海藻で髪をまとめたりしてるんだろうと思ったが、読み進めるうちに、トカゲも食べれずヤシガニで腹を壊す弱い男に苛立ちを感じるようになった。
読めば読むほど、無人島のルールに読む側まで感化されていく。

『東京島』は、20人以上の男達と、たった一人の女が、無人島に流れ着き、生活しようとする物語だ。
生き抜くために、登場人物たちは、虚飾を捨てて恥も捨てて、欲をただ求める、むきだしの中身を顕す。
……という構図は容易に想像がつくため、官能小説のようになるのでは、と抵抗があったのだが……いい意味で想像をはずれていた。

何にも適応できる、というのは、自分のことだけを効率的に考える、と同義かもしれない。
ラストの展開は個人的に嫌いじゃない。
他か行作家 | 21:15 | comments(0) | trackbacks(0)
インディゴの夜
加藤 実秋
東京創元社

club indigoは、クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな子が接客してくれたらいいのに、というオーナーの希望を反映させた、割とリーズナブルなホストクラブである。
『インディゴの夜』は、club indigoお抱えホスト達の多種多様ぶりから情報網や顔の広さを利用した、ホスト探偵団が事件解決に走り回る話である。

読みやすくて面白かった。
特に、主人公・高原晶のキャラクターに好感が持てる。
が、
私は東京在住でないし、普段オシャレに気を遣う方でもないから、スタイリッシュな雰囲気は格好良くても、イメージできない箇所がいくつかあった。
ベースボールキャップって一体…と一瞬思ったが、直訳・野球帽か。こんなのでも引っ掛かりを覚える私である。
若い感覚がある方なら是非。

動きのある話なので、文章より画で見れたらもっとはまりそうだと思った。
漫画化かドラマ化しないかしら。
他か行作家 | 19:39 | comments(2) | trackbacks(0)
黒い家
夏なので怖い話を。

保険会社に勤める主人公・若槻慎二は、保険契約者の菰田(こもだ)重徳という男に、相談があると家に呼び出される。
若槻は菰田宅である『黒い家』で、重徳の息子・和也の首吊り死体の目撃者となる。
他殺か自殺かを疑う若槻だが、菰田夫妻は執拗に保険金の支払いを要求する。

…っとまぁ、お金が絡む話でもあることですから、ドロドロした雰囲気漂う薄ら寒い物語でした。


以下ネタバレかもしれない。
続きを読む >>
他か行作家 | 23:24 | comments(0) | trackbacks(0)
悪童日記
アゴタ クリストフ,クリストフ、アゴタ,Agota Kristof
早川書房

仕事で嫌な人に対した時、理不尽にも嫌な対応を受けた時、この言葉に傷つかなくなりたいとか思う時があります。
痛みに鈍くなれば、それだけ傷つかずにいれるのではないかと。

この話に出てくる双子は、悲しみや苦痛に慣れる訓練、というのをしばしば行います。
双子が<小さな町>でなるべくうまく生きるためにそういう訓練が必要だったのなら、双子の『悪童』たる部分はあまり実感できません。
…しかしこの物語、なにやら三部作らしいので、こうして『悪』たる基盤ができた、というラストは薄ら寒い。

長野まゆみさんの『行ってみたいな童話の国』の雰囲気に似たものを感じました。
他か行作家 | 17:45 | comments(0) | trackbacks(0)
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