ぶくわむ

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名前探しの放課後
三ヶ月後に、同級生の誰かが、自殺する――

依田いつかは、急に、三ヶ月前の時間へとタイムスリップする。名前の思い出せない誰かが自殺するという、情報を持って。


著者の辻村深月いわく、この作品は、これまでに書いた作品達の中の集大成であり、これまでを含めて辻村深月一期の作品としたなら、その象徴となる作品だと言っています。
最後まで読むと、その意味が分かります。
『冷たい校舎の時は止まる』をどこが彷彿とさせる物語の導入、彼のピアノ、彼等の歪み、彼の力、彼の作品。

刊行順に辻村作品を読み、辻村作品を愛してきた読者なら、本書の終わりには、ある登場人物をぎゅっと抱きしめたくなるのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。
いつか達の話はもちろん愛しいのだけど、その子の話が明かされた時、私は涙を禁じ得ませんでした。


続きはネタバレです。
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辻村深月 | 13:53 | comments(0) | trackbacks(0)
ぼくのメジャースプーン
軽量スプーンをメジャースプーンと呼ぶことを初めて知りました。
『メジャー』で連想したのがメジャーリーグでしかなく、タイトルだけじゃ全く話の予想がつかなかったなんてのはここだけの話……。

概要。
主人公のぼくには、特別な力がある。
ある時、幼なじみのふみちゃんが、ひどいことに遇って喋れなくなってしまう。ぼくはその加害者に、力を使って罰を与える決心をする。


実質的な損得など考えずに、とても酷いことを自ら起こしてしまえる人がいる。ただの好奇心や、或いは全くの理由を持たず、他人に害を成す人がいる。大事にされてしかるべきものが、あっけなく傷つけられることもある。
『子どもたちは夜と遊ぶ』『ぼくのメジャースプーン』二作に漂う、息苦しさは、現実のものだ。

自分がもし親になった時子どもに、なんで生き物を殺してはいけないのかを、どう教えるだろうかと考えた。
善悪や倫理を、どう教えるだろうかと。

懐かしい人たちに会えたのは、嬉しかった。
辻村深月 | 21:09 | comments(0) | trackbacks(0)
凍りのくじら
藤子・F・不二雄氏への尊敬と愛を詰めた、すこし・ふしぎなお話。各章のタイトルに並べられるドラえもんの道具に、不思議な懐かしさを感じる。
私は多分理帆子の10分の1以下の興味でドラえもんを視聴していたけれど、『どこでもドア』への憧れと『どくさいスイッチ』のエピソードの恐さは、今でも覚えている。

心にすきまがあって、人間関係におぼつかなさを感じるのは、理帆子だけじゃない。

この人の描く人物には、どうして既視感を覚えずにはいられないんだろう。


以外ネタバレ。
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辻村深月 | 18:44 | comments(0) | trackbacks(0)
スロウハイツの神様
すっごくよかった…!
スロウハイツの住人が誰も死ななくてよかった。(…)

まるでトキワ荘のように、クリエイターの卵が集う『スロウハイツ』。
彼等が共にした苦楽を描く。

解説が西尾維新で軽く驚いた。


チヨダ・コーキのイメージは、乙一と西尾維新と山田悠介と辻村深月を混ぜて割ったかんじかなぁと思った。
真ん中二人は、登場人物があっけなく死んでいく。…けど、そのキャラクターに共感や親近感は湧かない。乙一さんと辻村さんは、今まで私が共感した作家さん。思春期の気持ちを身近に沿って描いていると思う。桜庭一樹さんもかな。
皆さんラノベ出ともいえる方々だけど。

こうなんじゃないかな、こうだったらいいのにな、って展開にはまってくれて、最終章は涙にじませながら読んだ。


残虐な事件が起こった時、加害者が好んでいた小説、漫画、ゲームが取り沙汰されることはある。
『虚構と現実を混同し』ての犯行、なんて、割とありふれたコメントだ。
しかし、やはり、20年以上虚構を好んでいる身としては、そんなコメントでまとめるのは短絡で嫌だとたまに感じていた。
『ドグラ・マグラ』の読者が須らく精神異常にはならないし、『GOTH』の読者が自殺者か殺人者しかいないなんてことにもならない。
いくつかの物語で、死は軽々しく扱われるかもしれない。けれど、生を軽々しく取り戻せる話は、いくつあるだろうか。それに、リアリティも合わせたものが。
ゲームをする人間が、本当にリセットボタンの感覚で命を手放すのか、私に本当のことは分からないが、少なくともライトゲーマーな私にそんな感覚はない。ゲームはゲームで、つまり虚構は虚構であるがゆえに何もかもを許されて、現実はそうでないことくらい、知っている。それは軽く落ち込むほどに。

本筋とはズレるが、自分がもうどうしようもなく受け付けない、認めたくない物語があったとしても、それを確かに楽しみにしている読者はいるわけで、闇雲に著者を嫌うのはしたくないなと思った。


続きはネタバレ。

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辻村深月 | 13:27 | comments(0) | trackbacks(0)
ロードムービー
うん。おもしろかった。
こどもの視点のちょっとした痛みと冒険を軸にした短編集。しかし分かる人には分かる連作短編集とも言える、ような?

●ロードムービー
トシとワタルの逃避行。

●道の先
お姫様の孤独。

●雪の降る道
ヒロちゃんを励ましたいみーちゃん。

ぜひ『冷たい校舎の時は止まる』を先に読んでから本書を読むことをおすすめしたい。
じゃないと『道の先』が若干消化不良^^;


齢を重ねた人は、若さを羨む。
だけど若さには確かに苦さと痛みがあって、それはずっとずっと続くんじゃないか、抜け出せないんじゃないか、って不安を負う。
でもそれを経た人には、そんな時期はどんなに辛くても大切な時期であったと思える未来も知っている。
世界は見えている範囲かもしれないけれど、それはいくらでも広げることが出来るし、しようと思えば見ない事だって出来る。もちろん、視点を変えることだって、すぐには難しいかもしれないけれど、出来ないことじゃない。
いつか平気になる。
辻村深月 | 20:43 | comments(0) | trackbacks(0)
子どもたちは夜と遊ぶ
宇多田ヒカルの『Fly Me To The Moon』を着信音にしている私としては偶然にびっくり。
下巻後半を読んでいる間は、ずっと頭の中でこれが流れている感覚だった。

『i』と『θ』が始めた殺人ゲーム。そのはじまりと、おわりとを追う物語。
厚いのは、登場人物の描写がとても丁寧だから。だからこそ、悲しみはより悲しく、ラストまでの衝撃は、読者を深く撃つ。

蝶と蜂の話もグロかったし、上巻に集中し始めてから下巻の半ばまで、辛くて辛くて読むのがしんどかった。
世にはあまりにも理不尽が溢れている。色々と現実には有り得ないような出来事があるけれど、それはとてもリアルだ。

どうして誰も俺を選ばない。

θの痛切な孤独感が、この一言に詰まっている。
涙無しに読めなかった。

以下はモロネタバレ。注意。
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辻村深月 | 19:21 | comments(0) | trackbacks(0)
冷たい校舎の時は止まる
奇しくも大雪の日に読破したので、寒さは臨場感たっぷりでした。

そして上巻読了後、怖くてゆっくり風呂に入れませんでしたwある意味ホラー小説。

概要。
雪の日の学校に登校したクラス委員八人は、なぜか校舎から出られなくなる。
なぜ自分達だけが閉じ込められたのか、誰が閉じ込めたのか、不可解な状況の中、八人に共通して、ある事件の肝心な記憶が失われていることに気づく。

県下一の進学校の生徒という設定なのでみんな頭はいいんですが、八人それぞれの内面が丁寧に描写されているので、読者は程度の差はあれ何かしらの悩みに共感するんじゃないかと思います。

以下ネタバレ。
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辻村深月 | 12:04 | comments(0) | trackbacks(0)
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