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プラネタリウムのふたご
仕事中に読んじゃだめだ。
5章と6章を読みながら涙が滲んでしまってどうしようもなかった私です。

あらすじは…
泣いたような顔の、プラネタリウムの解説員の男が、テンペルタットル彗星の解説をしている時、プラネタリウムに置き去りにされたふたごに出会う。ふたご(テンペルとタットル)は、父となった泣き男の解説を聞きながら、プラネタリウムで育つ。
成長したふたごは、それぞれ別の役割を持って生きていくことになるんですが、自分にしかできない仕事をしていくうち、二人はまた交差する…。

タットルのやさしい気遣いとか、テンペルの巧みな話術だとか、ふわふわした温かさに、たまに、独特のリアルさがまじっていて、やはり、この方が書くお話は、一部分からいやなにおいがするというか、なんだかそんな気がします。
不思議とそれが不愉快ではないのですが。(つまり好きということですがね)

『白の鳥と黒の鳥』を先に読んでいたせいで、いしいさんの書かれるふたごに不気味な先入観を抱いていたのですが、赤と青のふたごとは違う、温かい読後感でした。

だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの、笑いもなにもない、どんづまりの世界になってしまう。
本文・四章での一文ですが、ああそうだなあと。この世は嘘ばっかりだ!と、疑いながら物事にあたるのって、すっごくすっごく疲れますし、結果嘘ばっかりだったら、本当に楽しくないですからね。

星座だって、北斗七星くらいしかその形に納得できないですが(笑)、夜空を眺めたくなるお話でした。
いしいしんじ | 18:36 | comments(2) | trackbacks(0)
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- | 18:36 | - | -
水になる手品のくだりを思うと胸にきます。誰かの命が消えて誰かが救われて、生命は巡るということ、綺麗なものも醜いものもひっくるめて生きていくこと、上手くいえないけど広い世界を書いてくれる作家さんだなぁと思っています^^
| 水瀬 | 2009/02/07 19:35 |
哀しさと愛しさの交ざりあった、そこに存在する世界がやさしく描かれていますよね。
私も、いしいさんの作品は感想を述べるのが困難です…(^^;
ですが、お金出して買ってよかった、これは手元に置いておきたい、とそれだけはいつも思います。
水瀬さんがお名前あげていなかったら、手に取る機会は多分ずっと先だったので、感謝しています^^
| miz | 2009/02/09 09:18 |










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